「良かった」


そう言って、またあたしの少し前を歩きだす先輩。


「あ、の。」

「ん?」



今なら、

こう言ってくれる先輩なら、

話せるかもしれない。



「聞いて、くれますか?」

「何?」

「あたしが、男の人を嫌がる理由です」



しばらく、何も言わなかった先輩。
無言であたしの手を取って、近くの公園のベンチに座らせてくれた。


「聞くよ。なんでも、受け止めてやる」