「浅葱、帰るぞ」
「は!?」
馬野君の後ろから、にょきっと顔を出して、藤沢先輩があたしに言ったのは、、、
こんなにも待たせておいて、あたしに言ったのは、「帰るぞ」だと?
「ちゃんと説明してくださいよ!こんなに待たせておいて、なんでいきなり帰る、になるんですか?!」
部室のベンチにどんと座って、言わなきゃ帰らない、という意志を示した。
「帰りに、話すから。な?もうおせぇし、帰ろーぜ?」
「言っとくけど、斉藤さんが帰らなくても、俺は帰るからね~?」
そう言ったかと思うと、馬野君はかなり足早に、かなり、速く帰って行ってしまった。