ジリジリと詰めよる距離……

見上げると、
座ってるときにはわからない身長差が浮き彫りになる。

あたしより、20センチは違うであろう馬野君は、あたしに影を落としながら、どんどん近づいてくる。



───逃げたい!!



そう思って俯いた。
目をギュッとつむって。





「………ま、今日のところは我慢するよ。心の準備もあるだろうしね?」



……っ!
準備もなにも!!



「あたし、付き合うなんて言ってない…!」


「待たないって言ったでしょ?強引かもしれないけど、そうじゃなきゃ、君は俺をいつまでたってもただの友達としか思わないだろうから……それは嫌なんだよ」





眉を少し下げて微笑む馬野君は、なんだか馬野君らしくないと思った