何処か落ち着ける場所が欲しい。との土方さんの要望により、僕は自宅を案内した。高層ビルをいくつも通り過ぎ、複雑な道をうねうねと歩く。駅から遠く、コンビニに近いアパート。其処が僕の家だ。両親は忙しく、海外で仕事をしている。そのせいか、滅多に顔を合わせた事が無い。土方さんは自宅に寄る前に、「買い出しをしたい」と言って近くの服屋さんに入ると、数分かして出て来た。つか、この服屋さん……。コスプレイヤーさんが良く行く服屋さんなんだけど、教えてあげた方が良いんだろうか………?
「お前は千姫の生まれ変わりだ」
僕の家の広間にて、茶を啜りながら土方さんは僕に告げた
「は……?」
呆気にとられた僕の表情とは対称的に、土方さんは怪訝そうな表情をした
「聞こえなかったのか、耳がおかしいのかどっちだ?」
「いえ……あまりにも突拍子の無い会話内容なんで、つい………」
「まあ、そうだろうな」
ふう、と溜め息を付く。視線を床に向け、正座したままの姿でお茶を持つ。お茶を持つ手元には、メイド服のスカートの裾が覗いている。あの「鬼の副長・土方歳三」の脚とは思えないほど綺麗な脚をしていたので、つい見とれてしまっていた
「だが」
その声に、僕は視線を上げた。いけない、つい見とれてしまっていて、上の空になってた!
「事実だ」
眉をキリリ、と上げ、揺るぎ無い瞳で告げられた内容に、嘘偽りが無い事を知る