「瑞稀~!おっはよ~ん!」
「樹華~!おはよ~。」
私は、神埼瑞稀。今日から高校生なんだ。
彼女は、私の親友の斎藤樹華。
「今日は、入学式だね~♪
新しい友達、い~っぱいつくろっ☆
瑞稀は、今年こそは彼氏作りなよ~?
中学三年間、あのバカにずっと片思いしてたでしょ?」
「わかってるよ~。」
私は、樹華には嘘も隠し事も、一切してこなかったけど、
今、一つ嘘付いてることがあるんだ。
それは、私が中学三年間ずっと好きだった人を、まだ忘れていないこと。
樹華には、「もう諦めた」って言った。
「がんばってね~?いつでも相談乗るからっ!」
「うん。ありがとう。」
正直、あいつを忘れることなんて出来ないって思ってた。
あの人に出逢うまでは・・・。


ドンッ!
「あっ!わりぃ。大丈夫か?」
「あっ。う・・・。うん。私もごめんね。」
これが、悠河との出逢いだった。
第一印象は、優しそうな人。
でも、あいつにはかなわない。
このときは、そう思っていた・・・・・・。