「王子様~?」

と、不思議そうな面持ちで
私を見ながらお兄ちゃんは
チャイムに誘われて玄関の扉を開けた。


「はじめまして。隣に越してきました
 王子です。」

先ほど衝突したその人物が
輝かしい笑顔で現れたのである。






・・・ほら、王子様だ。


幼かった私は、再び現れた
その眩しい人物を見て
そう思った。