「うたちゃん!どうしたの?」

みっちゃんが、私の様子に気づいて
駆け寄ってきたけれど、私はただ
顔を真っ赤にしたままそこから動けなかった。


「おーーーい!うたー?
 大丈夫か~?」

なんて、手をひらひらさせている
お兄ちゃんにやっと発せれた言葉。





「・・・外に王子様がいる。」





その言葉の後を追うようにして
家のチャイムが鳴り響いた。