「う~ん・・・」 寝ぼけているのか、 なかなかどいてくれない お兄ちゃんに我慢の限界で 怒鳴りつけようと、 大きく息を吸い込んだとき。 「うたちゃん、おはよう」 キッチンの方から 聞こえてきたのは なんとも、涼しい 心地よい声。 「・・・優君?」 まだ、どいてくれないお兄ちゃんのせいで 私からは優君の存在を確認できないけれど この声は、間違いない。優君の声だ。