「うた!もう知らないからな!」

「いいもん!お兄ちゃんなんていらない!」




そう思い余って投げやりに告げれば
「そうか・・・」とお兄ちゃんは
離れていった。




少し言い過ぎたかもしれない。
でも、どうしようもないくらい
そのときの私はいっぱいいっぱいだった。



ただ、眠った。
どこにぶつければいいのかわからない
この気持ちを持て余すには
私は幼すぎた。
だから、ひたすら眠って
明日の朝には、お兄ちゃんに
「ごめんなさい」って告げよう。




「お兄ちゃん、ごめんね」



そう呟いて、眠った。

明日には、優君にも会えるかもしれない。