車に乗り、ゆっくりアクセルを踏む。


俺は担任として、彼女が進学するのかを聞いた。


俺は、勿論進学を希望すると思っていた。


だって、彼女はわりかし成績が良い。


今から頑張れば、そこそこの大学に行けると思うから。


だが、彼女から返ってきた答えに一瞬、言葉を失った。


『進学はしない』。

理由を聞くと、仕事をして自立がしたいと言う。


まさかの答え。


彼女の家は確か、母子家庭。


だが、母子家庭でも大学に行ってる人はいる。


だか、俺はその時、それ以上突っ込めなかった。


ただ、教員として
かける普通の言葉を伝えた。


「相談に乗るから。」

「出来る限りの事はするし」


そんな言葉に、彼女は一言。



『有難うございます』