ある日の事だった。

たまたま授業が入ってなくて、プラプラ歩いていたら、体育教員の新井先生が、女生徒をおぶって、俺の方向いて歩いて来る。


『誰か怪我したか?』


確か、この時間は俺のクラスの筈。


新井先生に声をかけると、怪我をしたのは飯塚。


どうやら捻挫したみたいだ。


何でか、俺が処置して病院に連れて行くと言っていた。


別に俺が名乗りを上げなくても…。


でも何故か、そうしたくて仕方なかった訳で。


飯塚を俺の背中におぶる。


『軽っ!』


思わず言葉として出そうになったけど、上手く飲み込んだ。