本当に悲しそうな瞳をする啓くんに 何も言えなくなる。 …そんなこと言われたら もう“啓飛”って呼ぶしかないじゃない……/// 雨の中に捨てられた子犬みたいな顔をする啓くんに 胸が締め付けられる。 あたしは、そんな啓くんの頬に触れた。 「時間はかかるだろうけど、ちゃんと呼ぶね。 ………啓飛。」 ニコッと笑ってみせると それとは反対に、ニヤリと笑う。 …ひぃっ……!!! .