「け、啓くん、放して!!////」


「ほらまた。

もう“啓くん”は卒業してよ。」




呆れたように息をつく啓くん。


…あ……




「え、えへ…///」




まだまだ無理みたい。

あたしみたいなお子ちゃまが、呼び捨てなんて…



5つも上なんだから。





「ゆっくりでもいいからさ。

それに、そんな風に呼ばれると、壁があるみたいでイヤなんだ。」

「壁?」




聞き返すと

切なそうな目で見つめられる。




「俺は華よりオジサンだからさ…

“啓くん”って呼ばれると、その事実を突き付けられてるみたいで…悲しくなる。」




.