悲しくて

悲しくて


部屋を出ようとした。




しかし……







「…待てよ……」



啓くんが、あたしの腕を掴む。


なんで

なんで……?



啓くんは、あたしのこと

好きじゃないんでしょ?


今さら、こんなこと……





「…なんで、そうなるんだよ。

俺が、華より瑠亜を好きだって?何を根拠にそんなこと言ってんだよ。」







グイッ



引っ張られて、啓くんの腕の中に収まる。


濡れてる髪が頬に当たって

くすぐったい。




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