あたしの目には、落ちそうで落ちない涙。


あたしは

瑠亜さんにマケタ…?




そう思ったら、走り出していた。


涼さんのいる、205の部屋。




……走っている途中、涙が頬を伝った。


涼さんに、話を聞いてほしかった。



誰かに、側にいてほしかった。



あたしは戸惑うことなく、涼さんの部屋に駆け込んだ。




「華ちゃん…?」


「涼、さんっ…」



涙の意味を察したみたいに、あたしを抱き締める。


その温もりが

今のあたしには重すぎる。




.