うそ

大丈夫なんかじゃない。



「…あんまり気にしない方がいいよ。

前田さんのことも、川田さんのことも。」


「……うん…」




涼さんが励ましてくれてるのが、すごくわかる。


優しいな……




「…あたし、啓くんのところ行きます。

ありがとうございました。」




頭を下げると

涼さんは微笑んだ。




「俺は何もしてないよ。

なんかあったら、俺の部屋においで。話くらい、聞いてあげられるからさ。」


「……はい…」



涼さんの部屋番号を聞いてから

中庭に戻る。




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