「じゃ、お邪魔しました〜。」




玄関のドアを開けて

振り向く。


啓くんは

何やら考え込んでるみたい。




「…おやすみなさい」


「……華」






……え…




フワリと包まれた

温かい感触。




……頭と背中に

力強い腕が回ってる。




「……華、今日はありがとな。
おかげで楽しい誕生日だったよ。

明日の夜…また来いよ?」



「え…」




それだけ言って


啓くんはあたしから腕を離した。





「おやすみ、華」



にっこり笑う啓くん。




.