-究極のビジュアル系「Quiet Noize」-

そう見出しで紹介された5人のメンバーが
見開きのページから僕の前に姿を見せる。

どうやら最近メジャーに上がってきたバンドで
その奇抜なメイクと豪華絢爛な衣装から
「究極のビジュアル系」と呼ばれている
らしかった。

「キモイわー。コイツなんて、女みたいやけど
男なんやで。凄い格好しとるよな」

藤堂さんは笑いながらギターを手にした
メンバーを指差す。 そのギターを持つ
彼(?)の無表情で人形のような姿は
確かに女性にしか見えない。

「へー、この人男なんっすね」

受け取った本から目を離せないでいる
僕の姿に藤堂さんは満足したのか
「凄いやろ」と笑いながら
また別の雑誌に手を伸ばそうとしていた。