しゅーちゃんのお日さまみたいな笑顔が好き。

“伊織”って呼ぶあの声が好き。

大きくて熱いあの手が好き。



抱きしめられたら、もう幸せで溶けていきそうで。

何度キスをしても何度体を重ねても…未だにする度に泣けてくる。




しゅーちゃんと巡りあった奇跡に、感謝してるから。

だから体を重ねる度に幸せで泣けてくるんだ。






しゅーちゃんが嫌いになった訳じゃない。

だけど…裏切られたツラさは残る。




それにこんな状況は冷静に考えたら諦めなくちゃいけないのは十分過ぎるくらいわかってる。






だけど…




“伊織”って呼ぶあの声を。
あの顔を思い出したら泣けてきて。






ぐっと顔を隠してソファーに丸まっていると。



パタンと扉が開いて理央が部屋に入ってきた。







丸まってる私の隣に座ると




「はい。」




と、自分のケータイを私の目の前に出す。



わけがわからずポカンとしてると。






「藤堂先輩。
伊織と話したいから代わってくれって。」









…と。

理央は無表情のままケータイを差し出した。









「逃げたらこの場で殺すわよ。」










理央の恐ろしいドスにビビりながらケータイを耳につけると。










「…伊織…??」











優しくて愛しい、

大好きな彼の声が私の耳に優しく響いた。