は…?

些細なこと…??





言ってる意味がわからない。

付き合ってる相手に婚約者がいるって…些細なことなワケないでしょ!?





プリプリしながらキッと睨むと



「前に言ったでしょ?“恋愛にセオリーはない”って。お互い好きなら貫けばいい。

だから言う必要なんてないでしょ?」



悪魔でサラッと。

桐谷慎は私をかわした。









「だけど…、婚約者の方は可哀想です。
しゅーちゃんと私のセイで不安な気持ちになってるかと思うと…申し訳ない。」









私…しゅーちゃんが浮気した時、スッゴく嫌だった。

相手もしゅーちゃんも許せなくて。

しゅーちゃんの“酔って覚えてない”って言い分も納得いかなかった。









そんな気持ちを相手にもさせているかと思うといたたまれないし、ずっと私を騙してたしゅーちゃんにもムカつく。










素直にしゅーちゃんとの過去のこと。

今の気持ちを桐谷慎に伝えると





「高宮はオコチャマだね。」





と、灰皿でタバコの火をグニグニ消した。