「俺、成宮悠陽。唯ちゃん、俺と付き合って?」


「はっ…?」


入学して一週間経って、少しは学校に慣れた私にいきなり告白してきた男。


成宮 悠陽。


「貴方のこと何も知らないんですけど?」


「俺は知ってるから」


笑顔でそう言われても困る。


「とにかく無理です。」


笑顔でそう言い悠陽の前を通ろうとしたのに。


「頼む。一週間だけでいいからさ、」


顔の前に両手をあわせ私にお願いをする悠陽。


「そう言われても困るってば。」


私は顔の前に両手をあわせ悠陽に無理とお願いする。


「なんでー?」


「好きな人がいるから。」


そう言って隙を見て私は一年のクラスの方へ走った。


「俺、あきらめねぇからな。唯ちゃん」


私の方を向きながらそう言っていたのに私は気づかなかった。