急いで病院に向かった

心の中に
少しの希望を持って

病院の受付の人に聞いて
病院の中とか
関係なしに
あたしは走った

ガチャッ!!

勢いよく開けた扉の先に
置かれたベッドの上には
ゆうやが寝ていた

「ゆう…や…?」

けど
顔には白い布が被せられ
あたしの希望は
粉々にくだけた



腕には
傷のあと

…なんで?


さっきまで
ニコッって笑ってくれてた
ゆうやの顔が
頭の中をよぎる


号泣するゆうやのママ


声を殺し
涙をぼたぼた零す
ゆうやのパパ


その光景を把握した
あたしの脳に
現実を突き付けられた

ーーーーーゆうやが死んだーー


心のどっかで
まだ信じたくない自分がいた

あたしはゆうやに
近づいた

「ゆうや……?
ねぇ…起きなよ…?
雪…まだ降ってるんだよ?……」

ゆうやを揺すぶるけど
ぴくりともしてくれない

返事すらない

「あい…やめなさい…」

泣きながらママが
あたしに言う

「ねぇ…そんないたずら
おもしろくないよ?…」

「あいちゃん…ありがと
けど…ゆうやは…
もぉ…「まだわかんないじゃん!!」
ゆうやのママが
その先言う言葉を
聞きたくなかった


あたしは
急に溢れでた涙を
拭うことなく
ゆうやを揺すぶった

「ゆうや!!
起きてよ!!!
あたしまだなんにも
約束守ってもらってない!!
まだいっぱいやりたいことも
言いたいことも
いっぱい…いっぱい……
あるん…だ…よ……」


あたしは
その場にへたりこんだ

そして声が
でなくなるんぢゃないか
ってくらい泣き叫んだ