『これからーっ!
後夜祭を初めたいと
思いまーっす★

まずは軽音部の演奏から!』



わーわー…

きゃー…



楽しいな…これも、
来年で終わりかぁ…







『坂!』


「えっ、あっ、譲臼?!」




『返事…聞こうと思って…』



「うん…」




その目…

その目に時々ドキっとする

全て知っているような、
譲臼の真っすぐな目…





きっと譲臼は知ってるんだ


あたしが、
イエスと言わないことを
…―





「あたし…譲臼は
いいやつだと思うけど…
それは、恋愛感情じゃないから
付き合えない…


ごめん…な、さい…」



ごめんなさい


心から謝った




『…いいんだよ
元々フラれる、って
分かってたし…』


「譲臼…」


『俺さ、これでも
入学当初から
好きだったんだぜ?
いわゆる一目惚れ』


「えーっ?!なんで?!」


『ソフト部の練習偶然見て、
そん時一瞬でぞっこん。
サッカーボール
わざと転がして取って貰って
話したかっただけー、
みたいな』


「そ、そだったのか…」



なんか恥ずかしい


『でもこれで、坂は…
ヤツと…』

「え?」


『ま、いーや。
俺は知ったこっちゃないし。
せいぜい頑張れよ…』

「な、な?はい?」




そう言って譲臼は
ひらひら手をふって
人混みに紛れていった