15分程走ると、閑静な住宅街の中に一際豪華な造りのマンションが現れた


白とブラウンを基調にしたコントラストで、デザイナーズマンションだ


豪華なマンションの前でタクシーは停まった



「ほら、美亜付いたわよ」



酔っ払いを引きずり下ろし、方向感覚の定まらない美亜を支えながらマンションに向かった


オートロックのため、部屋番号を押し呼び出そうとしたら、ふとガラス扉が開き解除された


外側には綾子達しか居ないので、中から人が出てきたようだ



「あっ!要ちゃんだ〜」



美亜は焦点の合わない虚ろな目で内側から出てきた人物に飛び付いた


綾子はまさかマンションの下まで、迎えに来る事を予想していなかったので少し驚いた





今し方帰宅したのか主任はスーツ姿だった



「お疲れ様です」


「すまないな、こいつが迷惑掛けたみたいで」


「いえ、いつもの事ですから」



自分の事ではないのに、非常に申し訳なさそうな主任に美亜のバッグを渡した