絶対秘密にしなきゃいけない関係でもないし、ただ、ややこしい誤解が生じるのを避けていただけで



「幼馴染みなんです」



阿部は自分が勝手に想像していた関係ではなかったため、聞き返してしまった



「ホントに?恋人とかじゃなくて?」



イチ兄とあたしが?それとも要ちゃんと?



「ちっがいますよ!こんな事に嘘付きようもないですよ」



真剣に聞いてきた阿部には悪いが、恋人と間違えられていた事を想像しただけで笑えた



「常務と美亜が恋人同士って想像出来ないよね」



綾子も想像したのだろう


堪える様子もなく可笑しそうに笑い出した



「親同士が仲良しなんで小さい頃から行き来があったんですよ」


「そーなんだ、だったら親しくても変な話じゃないしな」



やっとの事で阿部は納得したようだった


そして、自身に納得させているようだった