「では、卵焼きで手を打とう」



一は美亜の弁当箱から卵焼きをつまみ食べた



「やはり、お前の卵焼きは上手いな」



チラリと視線が要に移した



「用件はこれだけでしょうか?」

「ああ邪魔して悪かったな。後は任せた。要、宜しく頼む」



決め台詞を吐くと、一は社食を後にした




彼は一体何をしにきたのだろうか


こんな事のために出向いた兄に、要は呆れていた



主任に急用かと思い訪れた常務


だが、用件が映画のチケット


そして、何事もなく対応する白石美亜



阿部と瑠璃は、3人のやり取りを見て茫然としていた