3人も注目の先を見た


そこには珍しい人物、鷹科常務‐要の兄、鷹科一(ハジメ)が居た



役員関係者には専用社食があるため、一般社員用の社食に来る事はないのだ


一は迷いなく目的の人物の所へ歩いた


常務が1歩1歩こちらへ近付いて来るにつれ、阿部と瑠璃の緊張度が高まっていった



「やぁ」



とても爽やかな笑顔だ



「「お疲れ様です」」



阿部と瑠璃は立ち上がり、頭を下げて挨拶をした


美亜は……オムライスを食べていた



「………っ!お、お、お疲れ様です!!」



2人の視線に気付き、かなりのテンポ遅れで挨拶した


しかも座ったままで、吃りながら



「ぷっくくっ、食事中すまないね。気楽にしてていから」



一は笑いを堪えながら、2人を促した



さすが白石美亜、彼女はある意味大物かもしれない


等と、見当外れな事を思っていた2人であった