微妙な空気を遮るかのように、要の携帯がバイブを鳴らし出した



「ちょっと、すまない」



席を立ち、少し離れた所で電話をし始めた



「今、お昼で…ええ…そうですが…いえ…こちらから…うかが…」



電話が途中で切れ、要は急いで昼飯をかき込んだ



マズイ!面倒臭いヤツが来る



その面倒臭いヤツが来る前に、この場を立ち去りたい気分の要に反し、美亜を除く2人は、わざわざ携帯に連絡してくるぐらいだから急用なのだろうか、忙しい人だな、ぐらいにしか思っていなかった





電話が切れてから1分も経っていないだろう


社食内が先程までの雰囲気とは変わり、少しざわめき出した


入口辺りに注目が集まっている



………来やがった



要の努力も虚しく、呆気に折られた