「なぜ≪だいせんそう≫は起こるの?」


それは私には少し難しい質問でした。
クマ村さんがあまりにも無邪気で、かつ平凡な表情で言ったから、私の吐いた息は行き場を失いました。


彷徨う私の無駄なエネルギーは、やがて地に果て、跡形もなくなったようでした。

こんなことなら、簡単に伝えられるのに。

≪だいせんそう≫が起こったあとの悲劇ならば、私は簡単にクマ村さんに伝えられるでしょう。
この跡形もなくなる、徐々に消えるくせに最後には全て見えなくなってしまう私の無気力な息を簡単に伝えられるのに。


「≪だいせんそう≫はこれからも起こるの?」

クマ村さんは続けて言いました。
私はたたみかけられたのです。