期末試験は終わった。
つまり…

高校生になって、初めての夏休み!!

思いっきり遊ぶぞ~♪

そんなことを考えながら、職員室の前をを歩いていると…


「おい、浜中!お前数学のテスト赤点だから、追試決定な」


……へ?



「先生…今、何て言いましたか?」


「だから、テスト赤点だから、追試だって言ってんの。」


そぅ言って、少し不機嫌そうに眉間に皺を寄せている、数学教師の尾白 真幸 先生が立っていた。





「まぁ、追試って言っても、夏休みに学校に来て補習を受ければいいだけだから」


そぅ言って、尾白先生は目を細めて笑った


「あの…先生、夏休みの間って、いつからいつまでですか?」


「いつからって、夏休みの間、土日とお盆休み以外はほぼ毎日だなー
あとは、俺の都合しだいだ」


ほぼ毎日!?それじゃ、夏休みほとんど潰れるじゃん!!


「…じゃあ先生、私以外に補習受ける人って誰がいますか?」




「7月の間はお前以外に10人くらいはいるけど、8月からはお前1人」


「え゛…何で8月から私
1人なんですか?」


「お前がテストで一番点数悪かったから」


先生はそんなことを涼しい顔をしてサラッと言う


「そ、そんな―…」


それに対して、私の顔はどんどん青ざめていった




「そぅいう事だから、まぁがんばれよ。
あと、もぅすぐ授業始まるぞ。
遅れるなよ。」


そぅ言って、先生は職員室に入って行った。






「補習…

サボっていいですか?」


「いやいや、サボっちゃだめでしょ…」

今は昼休みで、教室の窓際で親友の中田優(ナカタ ユウ)と机をくっ付けて、お弁当を食べながら、補習のことを話していた。

「だってさぁ、夏休みほとんど潰れるんだよ?
優とも全然遊べないんだよ?」

そんなの嫌だよ―…。


「だけど、補習って午前中だけじゃないの?」


「うん、たぶんそぅだと思うけど…」


「なら、午後からとか、土日とかにたくさん遊ぼうよ!」


「うぅ~優ぅ~ありがと~」


私は涙目になりながら、優に抱きついた





「よしよし」

優は笑いながら、私の頭を撫でてくれた。

優は小学校のときから、ずっと一緒にいる、私の大切な親友。
身長は155㎝くらいで私は152㎝だから、私よりちょっと背が高いけど、周りから見たら、私たちは結構小さいと思う。

優は、二重大きな瞳で、色白で、綺麗なストレートの黒髪で、それに、勉強も出来るから、超モテる。


それに比べて私は…


いちよう二重で色白な方だとは思うけど…


優みたいに可愛くないし、勉強も出来ないし(数学だけ)、それに一番イヤなのが―…





腰まで伸びたこの茶髪…

「髪…
黒く染めようかな…」

「も~また言ってるし…
私は瑞希の髪の色、好きだよ」

「えー!私は優の髪の色の方がいい~」


「瑞希ってさ、本当にその髪の色キライだよね~、綺麗なのに、そににスゴイさらさらじゃん!」


「だってさぁ、中学でも高校でも、この髪のせいで何回生活指導の先生に注意されたか分かるでしょ?

親に電話までしてさ…

まぁ、そのおかげで、先生達の誤解もやっと解けたんだけどね…」