もし零会長になんて見られたら…



「もしかして零のこと気にしてる?」

「えっ」



沢口先生に図星をつかれてしまった事に驚き、少し大きな声が出た。



「そんなに零が気になるの?」

「べ、別に気になるとかじゃ…」



気になるとかじゃない。



だけど。



あれ、だけどなんだろう?



零会長がなんだろう。



私は、なにが不満だったんだろう。



沢口先生といるところを、零会長に見られたら?



見られたからと言って、別にどうこうなる話しじゃない。



分からなくなってしまった。



「だったらいいじゃん。それにもう暗くなってきてるし、危ないよ」



そう言いながら沢口先生は、私の手首を掴む。



えぇっ?!