「んじゃ、もう帰ろうぜ?」
「賛成、賛成!」
仕事もあまりないので、今日のところはこれで解散みたいだ。
「うげー、まだ雨降ってるし」
咲先輩の声につられて、私も廊下の窓から外を見る。
空から降ってくる雨粒が、桜の木の葉を揺らしていた。
靴箱まで行くと先輩達はそれぞれ、
「克也、私をいれなさい!」
「やだよ。俺の肩が濡れるじゃん」
「(怒)」
「…はいはい、分かったよ。入れないわけにもいかねーよな」
渚先輩と克也先輩は、仲良く相合い傘して帰って行ったし。
咲先輩なんて、
「俺は駅までだから、余裕だし!」
とか言って、雨の中走ってっちゃうし。