――――“パチンッ”
1セットずつ丁寧に、少しでも早く留めていく。
こういった作業にも、随分と慣れてきた。
最後の1セットを終わらせたところで、のびをした。
「んー…!」
「…そこの猫、鳴くな」
「はい、すいません…」
私を猫だなんて言う人は、零会長しかいない。
顔を確認するまでもなく、声だけで肩がビクッとなる。
「こら零!いじめてんじゃないわよ!」
すかさず渚先輩が零会長を叱る。
「うるさいから黙れと言っただけだ」
零会長には無効だ。
あの渚先輩にも、全く動じないんだから。
「そんな冷たい事ばっか言ってると、華奈ちゃんに愛想つかされちゃうぞ?」