昨日、彼女を作ろうと思ったことを思い出し、この子なら…と思った。

正直、モテる子には思えないし…好きじゃなくても騙せる気がする。

それに…可愛すぎたり綺麗すぎたりすると、いちいち緊張するから面倒。

平凡で暇潰しにこの子にしてみるか。


―これがどれだけ残酷なことをしているのか、俺はまだ、気づいていなかったんだ。

もし、気づいていたら…俺たちはどうなっていただろうか…。

俺は…なんてバカだったんだろう…。



「俺、あいつに告るわ。」


俺の突然な発言に驚いた春樹は飲んでいたコーヒーを吹き出した。

咳き込む姿は無性に笑えた。


「ちょっと待て。
お前、真菜ちゃんの名前今知ったばっかだろ。」


「だから??」


「どう考えてもおかしいだろ!」


………そうなのかもな。
だって、ただ彼女が欲しいだけだ。

今選んだんだからあたりまえだろう。

俺は誤魔化すために、ニヤッと笑って


「一目惚れ」


と少しカッコつけて言ってやった。
思いの外、春樹には面白いほど効果があり目を輝かせる。