しかし、春樹はパタンとエロ本を畳んだあと、表紙を俺に見せながら


「何を言う!エロ本とは、思春期男子が求めて当然のもの!
それを拒絶する権利はお前にはない!
それにっ!お前も健全な男子高校生ならば、一冊くらい隠し持っているであろう!」


大きな本屋で、人も多くかなりざわついていたのであまり目立たずにすんだ。

しかし、辱しめもなくそんな発言ができる春樹はある意味違う意味で尊敬する。


「……やっぱいい。」


なんか面倒だし、と俺はそのまま雑誌も買わずに帰った。


次の日もいつも通り登校する。
でも、別に何ともない一日。

昼、春樹と購買で買ったパンを食ってるとまぁまぁ可愛い女が目に入った。

特別可愛い訳でもなく、ブスでもなく一緒にいて気楽そうな…。


「今、真菜ちゃん見てただろ。」


「あいつ、真菜って言うんだ。」


「……同じクラスだろ…。」


今まで全く女子に興味が無かったため名前すら知らなかった。