「ん~?」



振り向かずに返事をする先輩。
その後ろ姿はりすごく儚い。

どうしてだろう…。



「どうした由里香。」



アイスを持って戻った巧先輩も、少し動揺しているみたいだった。





「なんでもない。
ただ、もう夏も終わりだな~って思っただけだよ。」

「早かったな。」

「もう、陸上部員の高校生として迎える夏、来ないんだね。」





来年は受験生だもん、と由里香先輩は付け加えた。



もう、この3人で一緒に、こんな風に夏を過ごすことはないんだ。