「佐々木…言ってた。“田中はきっと高校で伸びるはずだから頑張ってほしい”って。」
───…‥
「負けるな綾人。また高校で高跳び頑張れよ。」
中島先生の言葉が脳裏をよぎる。
―――…‥
「それにさ、“大会で会えるのが楽しみだ”とも言ってたんだ。」
───…‥
「高校の大会で、田中綾人の名前が聞けること、俺は楽しみにしてるから。」
―――…‥
先生、俺はやっぱり陸上競技から離れないほうがいいのか?
こうして、目の前で真っ直ぐに佐々木からの言葉を伝えてくれる希一を見ていると、運命とやらを信じてしまいそうになる。