「なぁ…綾人。」



帰り道、なぜか重たい空気の希一。

やっと口をきいたのは駅に着いてからだった。
結局、軽音部は見れないまま帰ってきちゃったんだよな。陸上部の先輩に絡まれてから、希一が変だったし。





「なんだよ。」

「お前さ、佐々木って奴知ってるよな?」



“佐々木”

今日、久しぶりに思い返していた中学時代の人の名前を聞いて、思わず肩を揺らした。