楽しい思い出がつまった陸上部を私は引退する。 もう綾人を見ていられないし、巧の走る姿はどこにもない。 寂しすぎるよ、本当に。 「由里香先輩、俺もっと高く跳べるようにがんばるんで、心配しないで受験がんばってください。」 「うん…。」 「今までいろいろありがとうございました。恩を仇で返すようなことは絶対しませんから。」 「うん、うん、…がんばれ。」 綾人の言葉に、少し涙が出た。 ありがとう、陸上部。