…結局、記録はギリギリ届かず、あのレースが高校最後のレースになってしまった。



由里香は笑ってた。



「ベスト更新してんだしいいじゃんよ。もう他を褒めるしかない、そうでしょ?
巧、いい顔してるわよ。」



それは、決して慰めの言葉じゃないと感じた。

俺を労う、由里香の言葉だ。
こいつには、1番感謝かもしれない。