そして、ついに訪れた日。 俺と由里香は妙な緊張感に襲われていた。指先が震える由里香を見たのは、俺には初めてかもしれなかった。 「がんばれ、巧っ!」 「おう!」 「巧先輩、ファイトです!」 「おう!よし、綾人は荷物持ち頼むな。行くか~。」 それでもなるべくいつも通り。 変わらない自分でいようと、必死に努めた。