スパイクを履いたまま、飲み物とタオルを持って行く。 恵まれたことに、高校で出会った顧問の先生も昔は高跳びの選手だったらしい。 なんてついているんだ。 「田中、高くなればなるほど顎を引いてる。高いからって勢いで跳ぼうとするな。限界がすぐにくる。」 「はい。」 「もう半足下がったところから、もう1回跳んでみろ。」 「はい。」 もっと、高く。 誰よりも、空に近く。 佐々木より、上を。