赤髪探偵 ① +~+春の夜桜事件+~+









・・・僕の、隣に居るのは・・・・・・


どうも古風な地味子で。




そんな僕も、その地味子のことが言えるのか分からない程に

普通で。






でも。

あの秘密を知ってからは・・・・・・僕の人生は180゚変わってしまって・・・・・・







もう、後戻りはできなくなってしまった・・・――――――









それでも、貴方はこのページを開きますか?












「今日も、平凡な日常が始まる・・・―――」

名前:金森 駿/カナモリ スグル

●普通の高校1年生。
何も取り柄もなくて、将来の夢もない。
唯一の自慢が絵がうまい事だけ。











「さぁ、・・・事件のカギは見つかった―――」

名前:神楽坂 茜/カグラザカ アカネ

●眼鏡をかけてボサボサの髪を三つ編みにしてスカートは足首まで伸ばしている女の子。
髪形も自由になった学校で三つ編みにしているため、周りから冷たい目で見られていることも。

本当はお尻まで伸ばしている鮮やかな赤色の髪に瞳は赤色と言う絶世の美女なみの美少女。
でも、その姿で居るのは仕事の時だけ。
外面の良さと文部両道で悪知恵の働きの時の頭の回転の速さから探偵の仕事をこなしている。
仕事の時では、通称・赤髪探偵と呼ばれている。




















ガリッ・・・ガリッ・・・・・・


今は―――夜。

暗闇の中で、一人の人間は美しい桜の目の前で[何か]をしていた。



「フハハハハ・・・さあ、始めのDînerの下準備は整った・・・・・・―――ここから、どう出るのか・・・・・・」



その人間は、手に持っている物で桜に何かをする。


ガリッ・・・ガリッ・・・


不気味な音は今でもずっと続いている。





そして、三日月の月光に映し出されたのは。






―――――長身の男と・・・ギラリと月光に反射する[物]。










「赤髪探偵・・・―――――」








男は、そう言葉を残すと闇の中に身を隠していった・・・――――――――























>>駿SIDE<<






















――キーンコーンカーンコーーン――


今日も、いつもと変わらない日常が過ぎていった。

俺は・・・窓の人気のない桜を見つめている。





「お――い!!駿、今日暇かぁ??」




俺の名前は、金森 駿(カナモリ スグル)。

まあ・・・他の奴から見たら[地味でも派手でもない平凡で絡みやすい奴]ってところか。

友達も結構いる方だと思っている。





「あぁ・・・今日は、ムリだわ。今日土屋に呼びだしされてんだよな~・・・」

「はぁっ!?土屋って、体育教師のか!?・・・駿、ご愁傷様だな・・・・・・。」




こうやって、やんわりと誘いを断る俺・・・。

別に、遊んでもいーんだけど・・・ダルイ。





「じゃあ、またな!!」




そう言って俺の席からどっかに行ってしまう奴。


また、俺の目は桜の方へ行ってしまう。



















すると、ザワザワとざわめく教室の中でも一際大きい声が聞こえる。






「キャハハハハハ!!!!!マジ、コイツってダサくね!?」





教室の隅から、奇声と思わせるような甲高い声が耳に届く。

このクラスの人々は顔を見なくても分かるだろう。

声の主は、本田 澪那(ホンダ レイナ)。

本田は、このクラスの一番大きな女子グループのリーダーと呼べるような存在だ。

いつも本田がクラスの女子の中で目立つような人物を見つけ、ターゲットとしていじめている。

・・・まあ、本田はそのイジメを[ゲーム]と呼んでいるが。





「キャッ!!!!」





その後にも、悲鳴が聞こえる。

現在のターゲットの神楽坂(カグラザカ)だ。
























神楽坂は、俺の隣の席。

一番窓際の席だ。

そして、俺はいつも窓から桜を見ている物で・・・何度も[神楽坂に好意を持つ物好きな奴]と言うイメージを植え付けられたことか・・・。

この悲鳴の後にも本田と他の奴らの声も聞こえてくる。





「うっせーよ、ブス。」

「ってゆーか・・・話さないでくんない??声を聞くだけでもイライラしてくんだよね。」

「こんなクラスでいらない存在をアタシ達が掃除してやってんのに、なんでそんなキモイ声あげんの??」




また、[ゲーム]が再開されたのか・・・次々に神楽坂に対する暴言が吐き出される。

でも・・・こんな様子もクラスでも何も感じなくなってきている。

皆は、その様子を見て笑っているか何もしないで見て見ぬふりをするのか。

俺は間違いなく、後者の[見て見ぬふりをする]方だろう。

行き成り神楽坂をかばうのもなんとなく、嫌だ。

それで俺の学園ライフに悪影響を及ぼされたらいい迷惑だ。






「マジで。何でいまどきにこんな地味なセーラー服なんて着ちゃってんの??」

「うわ~・・・それを言っちゃぁいけないでしょ。澪那。だって、地味子には地味なセーラー服が一番似合うっしょ。」

「キャハハ、そっかぁ!!」




そう・・・。

この学校では、男女ともに女子だったらセーラー服男子だったら学ランかブレザーのどちらかを選択できるというゆるい学校なんだ。

そして、このクラスの中でセーラー服なのは神楽坂だけと言う事になってしまった。





















それに、神楽坂はある意味でも人の目を引くような容姿だ。

髪はボサボサの黒髪に三つ編みと言う古風な髪形にスカートは足首までの丈の長さ。

極めつけは漫画の中でしかないと思っていた、グルグルの眼鏡。

その容姿からでもクラスだけにとどまらずに学年中・・・いや、もしかしたら学校中に[地味]で有名なのかもしれない。





そして。





ぞろぞろと帰る仕度をしていたクラスに一人の男子が勢いよく入って来た。

名前は今木 幸樹(イマキ コウキ)。

このクラスの一番の情報屋と言っても過言ではないような奴だ。




「ビックニュース、ビックニュースッッ!!!!!」




今木はバンッと教室の扉を開けて教卓まで来る。

クラス全員の目が今木に集まる。

そして、彼は大きな声で言いながら教卓を強く叩く。






「あのな、昨日の夜・・・この学校の裏山の桜に落書きがされてあったみたいだぜ!!で、警察も動いてるらしいぜ!!」