同時刻

南校舎屋上にて


~東條side~



「なあ、直人

恋って良いものだよね」




「はっ?」


俺が購買のクリームパンを食おうとしたとき

親友の城戸悠一がいきなり変なことを言い出した



「悠

お前熱でもあるのか?」


少々哀れんだ目で悠を見る



「ん?
心配してくれるのか?ありがとう

でも今日はすごく元気だよ」



あからさまに“幸せいっぱい”って顔してやがる…


だめだ…

嫌味が通じてない…


悠は俺の本性を知る唯一の人物(この前雨宮にバレたが…)であり親友でもある


俺が悠と初めて会ったとき悠は


『そんなに性格つくってて疲れない?

まあ、僕も人のことは言えないけど…

もしよかったら、お互い仲良くしようよ』


と言ってきた


一目で俺の本性を見抜いたときには
さすがに驚いたが



悠曰わく

「腹黒さでいったら
僕の方が上だからね」


と爽やかな笑顔で返された



たく…

こんな爽やかな顔してて
俺より腹黒いってどんなだよ…