格技場の窓から差し込む街灯の光が、有の頬を照らしている。

 その頬が残酷に美しく微笑んだ。



「じゃ…優しくしてやるよ」





 云うと有は、姫乃に深く差し込んだままの中指をゆっくりと動かし始めた。


「ひっ…はっあぁっん」



 静まり返った格技場に、姫乃の哀しくもいやらしい水音と、切ない喘ぎ声が響き渡る。


「あっああっ…んっあっ…はっんんっ」

「力、抜けよ」


 執拗に繰り返される指の動きに、やがて姫乃は小刻みに震え、痙攣し始めた。


「やっ…あっなに…」

「抱いててやるから…逝け」


 有は指の動きはそのままに、左手で姫乃を抱えて強く抱きしめた。

 そして、指のスピードを速める。


 ――その刹那。


「ああぁぁぁっっ!」


 姫乃は弓なりにのけ反り、烈しく痙攣して、初めての絶頂を迎えた。







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