担任の先生ったらヒドイ。

 こんな大事な日に限ってHRが長いんだもん!

 …先輩、何処かなぁ…?

 まさか、もう帰っていたりしないよね!?


 姫乃は4階まで一気に駆け上がり、いちばん最初に目に入った男の先輩に声を掛けた。


「あの、すみません! 上領先輩を見掛けましたか!?」


 姫乃の必死な形相に些か驚いた彼は、ちょっとどもって窓から見える講堂を指した。


「さ、さっき、講堂の裏の方に歩いていったけど…」

「ありがとうございました!!」

 彼の話が終わるや否や、姫乃はまた駆け出した。

「あ…でも、ひとりでは…あーあ、いっちゃった」




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