「きゃああっ やったじゃん、ひめの!!」


 翌朝、登校中に昨日の出来事を瑠璃に話した。


「日曜に渡しに行って大正解だったね!」


 瑠璃は興奮の余り、地団駄を踏む。


「うん…でも、先輩風邪ひいていたのかも。大丈夫かな?」

「大丈夫よ、風邪くらい。毎日サッカーで鍛えてたんだから」


 そーいえば、瑠璃の風邪もいつもすぐに治っちゃうよなぁ…。


「平気平気。でもそのお蔭で飴貰えちゃったんだから、風邪に感謝だね」

「…うん、まあね…」

「ふっふっふっ。あー、あたしが他の上領先輩狙いの子たちに自慢したい」


 く〜っ、と瑠璃が震えてる。


「ダメよぉ…会えたのは偶然なんだし。それに、内緒って云ってたよぉ」


 姫乃の眉がへの字に下がる。


「はいはい 判ってますって。先輩と姫乃の、ふたりだけの秘密、ね!」


 かぁぁぁっと、姫乃の頬が染まるのを、瑠璃は大笑いしてからかった。

 平和で、シアワセに浸る月曜日の朝だった。




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