―――どくん。


 …かみりょう せんぱい…!


 すらりとした人影は、まばゆい朝の陽射しを受けながら、こちらへ歩いてくる。

 光を反射した蒼い髪が揺れる。

 ふたりの距離がどんどんと縮まり。


―――目が、合った。


 初めて先輩を見掛けた、あの入学式の朝と同じ、光を受けてきらきらと光彩を放つ青灰色の目に射竦められ、姫乃の時間はすっかり止まってしまった。




.