「…最近あなた、ユウと仲が良いそうだけれど」


 すました声で彼女が切り出した。


「なにか勘違いでもしてるんじゃないかしらと思って…忠告しにきたのよ」


 渇いた喉が、こくんと鳴った。

 無反応な私を見下ろして彼女は、ふふん、と鼻で微かに嘲笑う。


「…ユウは私のものよ」 

 口唇から嗤いを消して、彼女は私を真っ直ぐに見据えて言い放った。


「彼が何と云おうと、何をしようと、ユウは私のものよ。これまでも、そしてこれからもずっと」


 ざわり。

 私の神経が、毛細血管の末端までもが、ざわざわとうねった。


「ユウは、私を忘れることは出来ないわ」



 まるで、不安と嫉妬にかられた蛇のように。




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