私は、罪悪感でなんて付き合って欲しくはない。


 その想いは変わらない。

 けれど。

 必要以上に彼の温もりを知ってしまった今、罪悪感からの関係だと知っても、私はこれを断ち切れるだろうか?



 彼の八重歯のこぼれる微笑みを。

 素敵に響く低い声も。

 熱い指の感触も。

 私を見つめる水晶玉のようなブルーグレイの瞳も。


 忘れることができる?


 忘れないまでも、また遠くから姿を追うだけの日々に戻れるかしら?






 それでも、愛する気持ちのない関係は無意味だと思う。

 心が凍るだけ。

 そう、それほど虚しいものはないものね。



 やっぱり瑠璃の云う通り、自分の想いを打ち明けよう。


 先輩がとても好きだということを。


 ずっと昔から、そしてこれからもあなたが好きです、って。



 伝えなくてはならないね。




 先輩はどんな反応をするかしら?


 私の好きな悪戯っ子みたいな微笑みをくれる?


 それとも、困る?


 遊びの関係なのに興冷めだよって思ったりして…いやいやいや。



 きっと、真面目に考えた答えをくれるよね?


 真っ直ぐで、偽りのない答えをくれるよね?



 自分の気持ちを表すのが苦手な彼だけれど。


 今度ばかりはあなたの想いを聞かせてください。



 上領先輩が好き。


 ありったけの恋心を言葉にのせて伝えよう。



 それで、私たちの関係が変わるんだ。


 


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